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和歌に詠われた絶景を愛でる


絶景の宝庫、和歌の浦には、
万葉の歌人たちが詠い、
江戸時代の画家が描いた感動を、
今も感じることができる
情趣豊かな風景が広がっている。

石造の不老橋の向こうに見えるのが和歌の浦の干潟。潮が引くと徐々に姿を現す

古く和歌に名を残す絶景の地

神亀元年(724)、聖武天皇の行幸に従った宮廷歌人の山部赤人は、和歌の浦と玉津島の神々しい美しさを讃え、潮の満ち引きに躍動する大自然の風景をダイナミックに歌に詠み込んだ。
「若の浦に 潮満ち来れば 潟を無み 葦辺を指して 鶴鳴き渡る」山部赤人(万葉集巻6 九一九)
(意訳)和歌の浦に潮が満ちると、干潟が無くなるので、葦辺を目指して、鶴が鳴きながら飛んでゆくよ
以降、和歌の浦は聖地となる。玉津島には和歌の神が祀られて、歌人の憧れの地となり、多くの和歌に詠われるようになる。
江戸時代の絵師・桑山玉州は、万葉集や新古今和歌集に詠われた情景を実際の風景に融合させ、その風雅な様子をみごとに表現した。その景色は『和歌浦十景』とよばれ、山部赤人の歌にある、和歌浦の干潟の葦辺に鶴が鳴き渡る様子は「蘆州鳴鶴(ろしゅうめいかく)」、紀三井寺の伽藍を抱く名草山が、干潟の満潮時に夕日に映える様子は「名草晩潮(なぐさばんちょう)」、和歌浦天満宮を祀る天神山から干潟を見下ろし、松林の間に釣り船が見え隠れする様子を「松間釣舟(しょうかんちょうしゅう)」。有間皇子が悲劇の最期を遂げた藤白坂の、紅葉の峠越しに見る和歌の浦の眺めは「藤白落葉(ふじしろらくよう)」として絵になる景色を教えてくれる。

干潟に潮が満ちた様子。松並木が美しい片男波の砂嘴が対岸へと延びる

和歌の浦(干潟・片男波)わかのうら(ひがた・かたおなみ)

片男波の名は山部赤人の歌にある「潟を無み(かたをなみ)」が由来とも。奠供(てんぐ)山に登れば、干潟と砂嘴(片男波)の雄大な風景を望むことができる。

奠供山(玉津島神社境内)

和歌山市和歌浦中3-4-26MAP B1
バス停不老橋からすぐ
見学自由
玉津島神社30台利用

[写真左] 社殿背後の奠供山山上から聖武天皇が和歌の浦の風景を愛でたと伝えられる
[写真右] 柿本人麻呂(上)、山部赤人らの肖像が歌とともに描かれた『三十六歌仙額』。実物は和歌山市立博物館に寄託されている

玉津島神社たまつしまじんじゃ

天照大御神の妹神にあたる稚日女尊(わかひるめのみこと)や和歌の神である衣通姫尊(そとおりひめのみこと)を祀る。和歌の名人36人の肖像を描いた『三十六歌仙額』を初代藩主・頼宣が奉納した。拝殿に複製画が展示されている。

073-444-0472
和歌山市和歌浦中3-4-26MAP B1
バス停不老橋からすぐ
境内自由
30台

鹽竈神社しおがまじんじゃ

鏡山の南面にある洞窟で、輿の窟(こしのいわや)と呼ばれた。祠と小さな拝殿があり、安産守護や子授けの神として信仰されている。

073-444-0472(玉津島神社)
和歌山市和歌浦中3-4-29MAP B1
バス停不老橋からすぐ
境内自由
玉津島神社30台利用

岡本緑邨筆による『明光浦十景図』。江戸時代後期~明治時代初期の作品で、写真右より時計回りに『松間釣舟』、『名草晩潮』、『藤白落葉』、『蘆州鳴鶴』

和歌浦十景関係資料(明光浦十景図)わかのうらじっけいかんけいしりょう(めいこううらじっけいず)

和歌浦(明光浦)周辺の名所十景が描かれた図会。江戸時代の和歌の浦出身の絵師・桑山玉洲が描いた絵図は、和歌に詠われた情景を実際の風景で表現したもので、多くの絵画や美術工芸品のモチーフとなった。岡本緑邨は、独自にアレンジを加えた名所十景を描いている。

和歌山市立博物館所蔵

073-423-0003

天神山の中腹にそびえたつ楼門。石段を上れば和歌浦湾を一望することができる

和歌浦天満宮わかうらてんまんぐう

社伝によると、太宰府に向かう途中、和歌の浦に立ち寄ったとされる菅原道真を祀る神社。本殿や楼門は後に江戸幕府御大工棟梁となった平内正信によるもの。

073-444-4769
和歌山市和歌浦西2-1-24MAP B1
バス停権現前から徒歩5分
境内自由
10台

雑賀崎の町並みさいかざきのまちなみ

万葉歌に「雑賀浦」の「海人の燈火」と詠われた雑賀崎の地にある漁師町。断崖に家々が密集して並ぶ風景は、まるでイタリアのアマルフィ海岸のようだとも称されている。

和歌山市雑賀崎MAP A1
バス停雑賀崎から徒歩9分
周辺自由
周辺利用

231段の石段を上ると和歌浦湾が一望に。春は早咲きの桜の名所としても知られる

紀三井寺(護国院)きみいでら(ごこくいん)

西国三十三所観音霊場第二番札所。和歌川干潟の東にそびえる名草山の中腹にあり、境内から和歌の浦を望める名所として知られ、多くの参詣者が訪れる。

073-444-1002
和歌山市紀三井寺1201MAP C3
JR紀三井寺駅から徒歩10分
参拝200円、仏殿3階展望回廊登楼100円
8~17時
無休
35台

琴ノ浦温山荘園ことのうらおんざんそうえん

世界有数のベルトメーカーの創業者・新田長次郎が造園した庭園を公開。主屋などの建物は重文指定。

073-482-0201
海南市船尾370MAP C3
バス停琴の浦からすぐ
入園400円、主屋・浜座敷入館各100円。
9時~16時30分受付
月曜(祝日の場合は翌日)
70台(有料)

(左)格式の高い五躰王子のひとつとして崇敬されている(右)猿田彦命と獅子がのどかに舞う藤白の奉納獅子舞

藤白神社ふじしろじんじゃ

熊野参詣に訪れた上皇や貴族が歌会や神楽を奉納した藤白王子跡に立つ神社。当時に奉納された神楽に起源をもつという優美な獅子舞が今も伝えられている。

073-482-1123
海南市藤白448MAP C3
JR海南駅から徒歩16分
境内自由
30台

1丁(約109m)ごとに17体の地蔵が祀られ、藤白坂を往来する人々を見守っている

熊野参詣道紀伊路(藤白坂)くまのさんけいみちきいじ(ふじしろさか)

藤白神社から藤代塔下王子跡へ向かう熊野詣での参詣道。斉明4年(658)に有間皇子が謀反の疑いで捕らえられ、この地で絞殺されたと伝わる。沿道には丁石地蔵が置かれている。

有間皇子の墓

海南市藤白MAP C4
JR海南駅から徒歩20~30分
周辺自由
なし

熊野参詣道紀伊路(藤代塔下王子跡)・地蔵峰寺くまのさんけいみちきいじ(ふじしろとうげおうじあと)・じぞうぶじ

熊野古道九十九王子のひとつ・塔下王子跡に立つ寺。裏手の御所の芝は和歌の浦を望む名所と江戸時代に絶賛された。

海南市下津町橋本1612MAP C4
JR海南駅から徒歩1時間50分
周辺自由
周辺利用

道に向かって斜めに立ち並ぶ独特の家並みが続く

黒江の町並みくろえのまちなみ

かつて「黒牛潟」と万葉歌に詠われた入江で、近世には漆器職人の町として栄えた。通りに面して町家が斜めに立ち、ノコギリの歯のように並ぶ独特の景観が残る。

海南市黒江MAP C3
バス停黒江から徒歩5分
周辺自由
周辺あり

水軒堤防すいけんていぼう

江戸時代後期に築かれた堤防跡で、水軒の砂丘の名残を残す。石堤の一部が水軒公園に移築保存されている。

水軒公園

和歌山市西浜MAP A1
バス停養翠園前から徒歩10分
入園自由
なし

明光通りの町並みめいこうどおりのまちなみ

紀州東照宮と和歌浦天満宮の参道前にある商店街。江戸時代には廻船問屋が軒を連ねて賑わい、今もその面影を残している。

和歌山市和歌浦中MAP B1
バス停権現前からすぐ
周辺自由
なし

館内には聖武天皇の「天平文化の時代」を紹介する展示コーナーもある

万葉館さらに深く万葉の世を知るまんようかん

片男波公園に立つ施設で、和歌の浦をはじめ、和歌山で詠まれた100余首の万葉歌を資料や映像シアターなどでわかりやすく紹介する。

073-446-5553
和歌山市和歌浦南3-1700-2MAP B1
バス停不老橋から徒歩10分
入館無料
9時~16時30分入館
無休

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